交通規制と車が引き起こす環境問題について

ベッド現在のテクノロジーでは、豊かな自然環境と自動車社会との共存は難しく、その環境を瑕疵なく次世代に引き渡すのは難しいと言えます。その前提に立って、この論考では交通規制がどの程度環境へのインパクトを減ずることができるかを検討します。北海道摩周湖のケーススタディです。

近年摩周湖周辺の樹木が立ち枯れを起こしたり湖の透明度が低下してきています。湖直近まで乗り入れる多数の自動車の排気ガスが一因と想起され、摩周湖展望台までの乗り入れに対し規制を求める声がありました。しかし観光関係者からは規制によって観光客が減り、産業への影響が出るという懸念もありました。問題は自然環境と観光業との両立ということになります。

そして自治体と釧路公立大学との連携、また行政機関や地元住民の協力で、平成19・20年度の2カ年で、一定期間のマイカー乗り入れ規制をするエコ交通実験を実施しました。「環境に優しい観光交通体系の構築に向けて」というスローガンで、摩周湖への道路におけるマイカー規制や代替バス運行、各種イベントが開催されました。

調査の中心は、観光者の消費実態分析と意識分析により、環境を守りながら地域の観光消費を高めていく可能性を探るものでした。観光消費減少を懸念する声に対しては、実験開始の前年に観光者の意識・消費の実態調査を行って、規制を支持する観光者が実は多いこと、地元における観光消費学が大きい場所ほど環境を守る意識が強く、マイカーの乗り入れ規制を求めていることを実証的に示すことができました。

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